2756.今日の植物(2239):ディプカディ
ディプカディはユリ科 Dipcadi属(ディプカディ属)に分類される植物で、The Plant Listでは変種も含めて45の種があげてありました。
(ただし、APGの分類体系ではキジカクシ科に分類されます)
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物はヨーロッパ南部からアフリカの広い地域、中東さらにはインド亜大陸まで分布しているということです。
この属の植物は小さな根茎から育ち、緑あるいは褐色の花を咲かせます。ユリ科の植物にあるように内側と外側に3つずつの花被片(見分けがつかない花弁と顎)を持ち、内側の花被片の先端は違った色になるものもあるということです。
切手に描かれているDipcadi erythraeum種は、食用になる植物で、民間の薬用植物としても使われているという情報もありました。
写真です。ネットから借用しています。
ディプカディ・エリスレウム Dipcadi erythraeum
●種小名のerythraeumは「赤い」という意味だったと思いますが、花の色を言っているのでしょうか?英語名はbrown (bell) lilyと「褐色のユリ?」とされているようです。
切手です。
ディプカディ・エリスレウム Dipcadi erythraeum
1983年 クウエート発行(普通切手)
●今回も、一緒に発行されたセットはこちら⇒切手植物図鑑
2755.今日の植物(2238):マルコルミア
マルコルミアは、アブラナ科 Malcolmia属(マルコルミア属)の植物で、The Plant Listでは39の種が挙げてありました。
ウイキペディアの情報によりますと、Malcolmia属の植物はヨーロッパからアフリカに至る地域原産の植物だそうです。切手に描かれているMalcolmia africana種とは別のMalcolmia maritima種は、ギリシャ、アルバニア原産の植物で、バージニアストックと呼ばれています。海岸の砂地や荒れ地でも生育し、美しい花と育てやすさから人気のある園芸植物だということです。
一方、切手に描かれているMalcolmia africana種の方は、地中海沿岸が原産地なのですが、分布域を広げ米国のネバダ州やユタ州では侵略的外来種とされているという情報もありました。
そのウイキペディアによりますと、この種はMalcolmia属の中では異なった特徴を有しており、近年の研究ではStrigosellaという別の属に分類されるようになったという情報もありました。
それでもう一度The Plant Listで調べてみましたが、Strigosella africana種はMalcolmia africanaの同義だとされており、こちらでは従来の分類が生かされているようです。
写真です。手元に2か所で撮影したものがありました。
バージニアストック Malcolmia maritima
撮影:2004年4月3日 撮影:2012年3月20日
京都市「府立植物園」 西宮市「北山緑化植物園」
●種小名のmaritimaは「海岸の」といった意味ですので、この種の特徴を表したもののようです。
マルコルミア・アフリカナ Malcolmia africana
●こちらはネットから借用です。花にも派手さはないようです。
切手です。
マルコルミア・アフリカナ Malcolmia africana
1983年 クウエート発行(普通切手)
●一緒に発行されたセットはこちら⇒切手植物図鑑
2754.今日の植物(2237):モリカンディア
今日からしばらくの間、前回取り上げましたクウエート発行の普通切手に描かれている植物が登場します。この普通切手は50種がセットで発行されたもので、「砂漠の植物」というセット名がつけられているように、砂漠で見られる植物がたくさん登場します。その中には、これまでこのブログに登場していない植物が多くあり、それを順番にご紹介したいと考えております。
このセットのように、日ごろ(多分クウエートでも)あまり注目されない植物を取り上げるということはいいことだと思います。ありふれた植物を何回も取り上げるようなことはせずに、このような観点からセットを組んでもらいたいですな、ぶつぶつ・・・
で、今日のモリカンディアですが、アブラナ科 Moricandia 属(モリカンディア属)に分類される植物です。The Plant Listによれば、この属には亜種も含めて10種があるとされていますので、小さな植物群です。
切手に描かれているMoricandia sinaica種についてネットで調べてみますと、この種は一年草で全高75センチメートル程度、春に青桃色の花を咲かせるということです。サウジアラビア全土に分布しており、乾燥したまた塩分の強い環境に耐えることができ、砂漠地域にカラフルな景観をつくる植物でもあるようです。
また、Moricandia sinaica種には薬効があると考えられ、民間の薬用植物として利用されているという情報もありました。
写真です。これもネットから借用しています。
モリカンディア・シナイカ Moricandia sinaica
切手です。
モリカンディア・シナイカ Moricandia sinaica
1983年 クウエート発行(普通切手)
一緒に発行されたセットはこちらです(とこれからしばらく同じ言葉になりそうです)⇒切手植物図鑑
2753.今日の植物(2236):クレッサ
クレッサは、ヒルガオ科 Cressa属(クレッサ属)の植物で、The Plant Listには3つの種が掲載されているだけという小さな植物群です。
ウイキペディアの情報によりますと、世界の熱帯および亜熱帯地域に自生する植物で、一般にalkaliweedsと呼ばれているのだそうです。
切手に描かれているCressa cretica種についても情報がありました。それによりますと、この種はアフリカの北部および中部、ヨーロッパ南部、西アジア、さらには南投アジア、オーストラリアでも見られるということです。
高さは50センチメートルにもならない小さな植物で、白い花を咲かせます。
古くから薬用植物として利用されてきたということです。薬効としては、虫下し、去痰、消化などがあり、性欲促進効果もあるとか・・
属名のCressa はギリシャ語由来で「クレタ島の女性」という語から来ているということです。面白いことに、種小名のcreticaの方も「クレタ島の」という意味ですから、妙な種名ということになります。
写真です。
クレッサ・クレティカ Cressa cretica
切手です。
クレッサ・クレティカ Cressa cretica
1983年 クウエート発行(普通切手)
●この普通切手は50種が1セットという大きなセットで発行されたものです。砂漠の植物といったシリーズになっています。こちらです⇒切手植物図鑑
2752.今日の植物(2235):アストリポメア
アストリポメアは、ヒルガオ科 Astripomoea属(アストリポメア属)の植物で、The Plant Listでは変種も含めて6つの種が挙げてあるだけの、小さな植物群ということになります。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物は、熱帯アフリカ、および南部アフリカ、アラビア半島に自生しているということです。
切手に描かれているAstripomoea malvacea種について情報がありました。それによりますと、この種は、ガーナから東方にソマリアに至る地域および南アフリカ地域の北東部に分布しているということです。
分類上は、サツマイモ属と近縁だとされていて、両方の属についてはさらに検討が必要だともされています。また、切手に描かれているAstripomoea malvacea種は、数種の変種を持っているのだそうです。それらは中間形態を介してつながっているのですが、特性が離れたものでは全く違ったものとして区分できるそうで、そんなところからそれら全部を種として取り扱うこともあるとのことです。上記の6種の中には、このAstripomoea malvacea種の変種は1種だけが含まれています。
これらの地域では、この植物は薬用に利用されるようです。寄生虫の駆除であったり、炎症や眼病の治療などに利用されるという情報がありました。
英語名はstar ipomoea(星形のサツマイモ?)、属名のAstripomoeaも同じ意味だと思われます。
写真です。
アストリポメア・マルバケアエ Astripomoea malvacea
●種小名のmalvaceaは「アオイ科のような」という意味なのですが、「どこが?」です。
切手です。
アストリポメア・マルバケアエ Astripomoea malvacea
1978年 モザンビーク発行(モザンビークの花)
●この切手は次のセットで発行されました。⇒切手植物図鑑